★風邪ひいてしもた

おかんは、ひまなんじゃろか。

「ケータイでピンクでムーディーなの見れた」とか、エロサイトのメールクリックしてしもて。
1クリック詐欺にあわないか心配です。
「近所の、倉持かっちゃんは、15万請求されて、断ったお父さんは5万円払ったんだって」とかゆってるから、
そういうのが存在するのは知ってるらしい。
 
テレビ電話も、ボタン長押しするとかかってしまう仕様らしくてな。
1ヶ月たたないうちに8千円ちかく使ってしもて。
プリケーやから、ぼくが、料金追加のカード買っていくん。

とにかく、おかんは、なんでも決定ボタンおして、出てきた機能で、なんとかなると思ってるので、
着せ替えケータイにしてしまって使いかた解らなくなってしまったり、
相当複雑なところまででたらめにボタン押してるん。
ぼくは何度も「今、押すボタンが何を意味してるか、おねがいやから、確認しておして。クリアボタンここやで」てゆってる。
どうも、施設内でケータイ使えるの自分だけやからて、お友達に自慢して、調子こいてるん。
 
そんで、歩けるようになってきてうれしいんか、ぼくに妙にべたべたつかまってきたり、
ふざけて嘘泣きして、抱きついてきたりして、それ、人前でやるから、おら、はずかしくて。
とにかく、おかんを甘やかしすぎた。て、昨日は何度もしかった。
 

今月の大変なことは、月末に、親戚の法事におかんを連れていくこと。

おばさんたちが、集まって14人くらいの規模らしくて。
ぼくは、おばさんたちと会うだけで蕁麻疹出てしまうから、おそろしいです。
きっと、親戚たちは、久しぶりにおかんをみて、
「誰だかわかる?」とか子供扱いして、ふざけて記憶テストして笑い物にしたり、
階段あるくときなんか、みんなぎゃあぎゃあ話しかけて、見世物にされてまう。
ぼくは、それを想像するだけで、失神しそうになって。
昨日から、風邪ひいてしまった。o(・Ω・`

★おかん、次の施設、ほぼきまった。

おかんが、福祉施設から出て行く人のリストのトップなってる。

知能テストも、春は40点じゃったのが、今は90点以上くらいになってた。
じゃから、次は障害はないけれど自立不可能な人が暮らす、共同生活の施設に行くことになるん。

先日、とりあえず、おねんが帰国したときに、ぼくとおねんで、あちこち見学して、一番いいところに入居申請しておいた。
そしたら、一昨日、一番いい場所が偶然、一人空いたから、すぐ入れるようなん。
おかん、面接も合格したらしくて。
 
でも、ぼくや、おねんの希望では、まだ歩行カートを押して歩けるようになったばかりで、もう少し杖の訓練などしてから、移動できたらいいのにな、て事。
リハビリや筋トレをやめて、能力が落ちる人も多いらしいし。
いきなり歩きまわって慣れない杖でころんだりしないか、心配です。
 
ただ、共同生活の施設も、順番待ちがいろいろあったり、タイミングによってはすぐ入れたり、何年も待つことになる。
今回を逃すと、行き場がなくて、そのうち変な施設に移動になってしまうかもしれない。
 
クオリティも、いろいろでな。実は実家の徒歩3分のところに、『少子化保育所が経営できないから、福祉施設に変更した』的な、まだ理念もないところもあったりした。でも、そういうところは、社員教育やスタッフの指導も、仕事への意欲もしっかりしてない。だから、そういうところに、おかんを住まわせるのは絶対だめや。
 

そんなこんなで、急やけど、引っ越すことになるん。

実家から、一番近くではないけれど、歴史あるいい施設じゃから、そこに合格できたので、あと1ヶ月くらいでいろいろ複雑な検査や手続きして、ひっこしになるとおもいます。
 
おねんは、「移動する事は決定にして、引越しの日を延ばせるだけ延ばして、ぎりぎりまでリハビリさせなさい」ゆうてたので、、なんか、どうなるか、どこまでできるか、おら、わからんけれど、がんばります。o(・Ω・
 
おかんは面接で「今の施設のお友達とわかれるのがつらい、いきたくない。ここは何でもやってくれるし・・・」て、だだこねたそうです。
面接の前日に、ぼくは、そういう事言ったらだめじゃよて、『受け答えの練習』したのに、おかんは自由すぎます。
記憶に障害のある人はあまり、人の悪口いったり、世間体きにしたり、根に持ったり、生活のいざこざもないので、普通にご近所づきあいするより、居心地がよいらしいです。
知能も回復して会話も楽しいことばかりで、スタッフにもモテてるらしくてな、じゃっかん調子にのっておる。 
 
今の施設に来る前は、記憶が変やったので、それまでの友達は全部わすれてしまったけれど、今回は知能が回復したから、ずっと覚えていると思います。
そして、また、地元の人が面会しやすくなったりで、人づきあいも始まる。
つらいことも面倒なことも覚え続けます。
社会で生きていく訓練をはじめます。
 

なんじゃかぼくは、卒園式とか、おじゅけんとか、そんな気分で、おかんをみてます。

 
 

★カメラの中のぼく o(・Ω・

カメラ買って、おかんの行動を撮影して、記憶の補足をしている。

だいたい、ぼくが写真とりまくっている。

おねえが来た時も、おねえとおかんの自然な姿を、横から後ろから、ランダムにとった。

でも、おねえがアメリカ帰る時、最後にぼくと、おかんと、おねんで話していて、
ぼくは、いつものように、適当にカシャカシャとった。
そたら、おねえが、「どれ、とってやろっか?」て手を伸ばしたので、
カメラはおねんの手に渡って、ぼくとおかんも撮影された。
 
ぼくは写真にがてや。
じゃって、自分は、いぬのぬいぐるみだとかすかに思っている部分もあるし、、
街の人から見えないくらい存在うすい時もあるし、、
街のガラスや鏡でみる自分は、だいたい泣きそうなかおやろ。
自分の姿が混乱して、表情とか、どうしていいかわからん。。。
 
でも、おねんが帰った後、カメラの写真ながめたら、
しらないうちに、ぼくが笑ってる写真がいっぱいあって、おののいた。
普通にわらっていた。
 
自分では、自然に笑う時、鏡なんか見ないからな、、、
鏡で見るのは、うその作り笑いやから。
自分の笑顔、わすれておった。
 
じゃから、普通にまるで、こどものころの写真のように、笑っていて、よかったです。

★ちょーつかれてん ちょーくらい日記なんo(・Ω・

おねえが、外国に帰った。
 
おかんは、今の障害者用の施設にいるには、もう、急に歩けるようになって、記憶障害もなくなったので、「出て行く人リストのトップ」になっている。
 
といっても、まだ筋肉もないし、安全性はないので、自立を目指して共同生活する施設に移動しなくてはならない。
そこで、急きょおねんと、あちこちの新しい施設の見学と申し込みにいった。
 
ご近所づきあいや、親せきづきあい、庭の手入れ、そして、たぶんおかんは、あと2-3年は家にもどれないだろうということで、家を数年は手入れしなくてよい空き家にする計画を立てた。
 
除草剤をまいたり、草刈り機をかったり、風呂なおしたり、一部バリアフリーにしたり、造園会社と打ち合わせしたり、銀行任務や、資産任務、おねんと、いろいろした。
 
ぼくも、おねんもよくやった。
でも親戚のおばさんは身勝手で、おねんと、ぼくに、文句を言う。
「お母さんつれてきて、お茶したかったのに!」とか。「なんでつれてこないの?」とかいう。
ぼくもおねんも、睡眠不足で緊急にやらなあかんこといっぱいやのに、まわりはなかなか理解できない。
 
おねんは、また年末にくる。
おねんは、おかんに、「また年末にくるね」ていったら、おかんは、実家の状況や自分の進路どんだけ大変か理解できてないから、思いやりのつもりで「無理してこなくていいのに」て、否定するような口調でいった。
おねんは、カチンときて「じゃ、もうこねえ!」て冗談半分に怒っていた。
 
年末には、おかんが、新しい施設に引っ越せるかもしれないから、そうなったら、
家具やベッド買ったり、じゅうたん買ったり、健康診断したり、とにかくたいへんやから、
じゃから、おかんや、ぼくのこと思ってきてくれる。
 
そして、地元の一部では、「なきぼくくんのお母さんが行方不明になった」って、噂になってて、
ご近所さんや親戚に問い合わせがたくさんいって、大変なことになってたりした。
そのことでも、おこられた。
でも、ぼくは、そうならないよう、近所や、おかんの友達、地元の親戚にはまめにあいさつにいったり連絡したり、お礼やおみやげもってたり、一生懸命やってた。でもそうなってしまった。
 
おねんに、いっぱいありがとうをゆって、ばいばいした。
おねんは、アメリカに帰った。
そして、ぼくは今日ひとりで帰ってくる途中、なんじゃか、かなしくなってしもて。
電車の中でも、ドトールでもないた。
おかんがこんなことになって、すべてストレスなく丸く収まるとはおもっていないけれど、
この大変な気持ちを誰かに理解してもらいたいなって、思った。
 
でも、お友達の多くはいま、忙しそうで。
当人たちも仕事など大変そうだから、今すぐはいえない。
それに、世の中の人々は、みなそれぞれ、自分の尺度で、自分は大変だとおもっている気もする。
 
ぼくはとても疲れていて、以前、しにたくないのに、線路に入ったりしてみたいとおもったり、
赤信号でも平気であるいていたり。したことがあって。
今日、新宿駅の「自殺防止の大きな鏡」をみていたら、ここでそんなに死ぬ人がいたのかとおもって、
変な空気なって、怖くなった。
 
ひとまず、この一週間、いろいろ前進したのに、
おばさんの一言やおかんの一言で、ぼくのこころは、こんなにぐちゃぐちゃになって
めそめそしてしまうんやから、
ぼくは、疲れていると思うし、早く楽しい予定でもたてて、おともだちとバカな話などしたいです。
 
せや、、電車のるとき、どん!てつきとばされて。
スーパーでるときも、どん!てつきとばされてん。
引きこもりの時、街の人からぼくの存在が見えなくなっていた事も思い出して、こわくなりました。
 
神社や、プールにいって、精神力をぴりっとしたいです。

★おかん、料理したんだよ o(・Ω・

おねえが、外国からいま、日本に来ておる。
おととい、いい天気の涼しい日、おねえと、おかんと、ぼくで、車のって。
おとんの、お墓参りいった。
あと、スーパーで、降りて、おかんをショッピングカートで歩かせた。
おかんは、1年ぶりのお買いものじゃった。
出前をとるから、おやつや、飲み物をかう予定やったけれど、
ぼくは「簡単な料理ならできるんちゃう?」てゆったら、おかんは一気にいろいろ買いそうになった。
けれど、1回だけの料理やので材料あまってしまうから、簡単なのにしてもろて。
そしたら、『こんにゃくと、ピーマンの甘辛炒め』つくるって。
こんにゃくと、ピーマンをかいました。
そして、出前をとって食べた後、おねえがホームセンターいってるあいだ、
おかんに料理させた。
 
ピアノの、丸椅子を、キッチンにもってきて、スツールがわりにして。
おかんは疲れると、そこに座らせる作戦。
 
おかんは、茶色い猫のエプロンして。ぼくが後ろの大きいボタンをとめてあげた。
 
おかんは、いつもどおり、ぴっ!と包丁のおしりで、こんにゃくの袋を切ってた。
ピーマンもこんにゃくもちいさく細切りにして。
ざるにだして。
1年つかってないフライパンを綺麗にして。
ぼくが買っておいた、油や、調味料など、使って。
部屋にいいにおいがしてきて。
 
先にこんにゃくを炒めて、時間かかるから、おかんが椅子にすわって。
ぼくがフライパンをシャクシャクまぜた。
 
ほんまは、鷹の爪や、ごま油つかうらしいけれど、ないから、
塩コショーさとうラー油などであじつけして、先にこんにゃく炒めたら、とっておいて。
次にピーマン炒めて、ぼくがフライパンをシャクシャクして。
最後に2つをまぜて味を調えます。
 
「そういえば、この料理て、コンビニに売ってないし、居酒屋にもないから、うちだけの料理なん?」て聞いたら
「そう」って。
 
それで、味見したら、おかんのいつもの『こんにゃくとピーマン炒め』のうまい味になってて。
 ぼくは「こんなにうまいの、うちだけの料理なんてもったえないなー全国でやればいいのになー」ていいました。
おかんは「これは、ピーマンをご近所さんにもらって、食べきれないときに冷蔵庫にあったこんにゃくと炒めてみたらおいしかったの。それで頻繁につくるようになったの」やて。

丼に2杯分くらい作って。
 
ぼくも、おねえも、おかんも、出前食べておなかいっぱいやのに、
3人で丼1杯くらいペロリと食べてしまいました。
おとんのお仏壇にも、すこしあげた。
おとんも、久しぶりのおかんの味でよろこんでいたにちがいないよ。
 
ぼくは「何日か外泊できるようになったら、野菜や肉いろいろ買って、こんどカレーつくろう!!」てゆった。
おねえも、帰国のたびにカレーをおねだりして、おかんのカレーが大好きなんじゃった。
 
夜おかんを、また施設に送り、おねえと家具やでいい椅子をこうたり、ホームセンターよったり、
ファミレスよったり、親せきめぐりして、
よるは、おねえと、実家にとまった。
おなかいっぱいやったけれど、おかんのつくった、こんにゃくぴーまんを、夜食にどんぶり1ぱいたいらげた。
 
そういえば、ぼくはいろいろ写真とったんじゃった。
おかんにも、写真とってもろた。
ピーマンは、おかんに炒められて、フライパンの中で緑鮮やかに、踊っていたし、
ぼくは、カーペットに寝転がって、足を天井にむけてじたばたしてたし、
お墓まいりのときは、3人ともサングラスしてた。
 
おうちのなかに、いいにおいがして、家族がおるのは、しあわせです。
 

★「一緒に遊べば、自然とともだち」 なん?o(・Ω・


今日は、おかんの「ともだち」と「記憶」の話です。

ぼくは、おかんの施設の夏祭りの時、写真をとってあげたんじゃった。
 
おかんには、この施設でできた「新しいともだち」が3人おるん。
お祭りの時もいっしょのテーブルでな。
みんなそろって、初めて写真をとってあげた。みんなお祭りでニコニコしてて。少し照れてて、幸せそうな顔やで。

それを、ぼくはセブンイレブンで焼き増しして。
先日、おかんと、おともだちに配りました。
おともだちが、ぼくとおかんのところに集まってきて。
  
長年家族がいない上品なおばさんは、生活保護をうけていて。
ベッドの周りは、殺風景で、お見舞い来る人もほとんどいない。
そのおばさんに、写真あげたら、震えるように心底喜んでいたよ。
 
このフロアにいる人は、軽度の記憶障害がある。じゃから、お友達にもおかんにも、写真を持っていてほしかった。
ぼくは、おかんの友達3人に、言ったんだよ。
「おかんも、たまに記憶が入れ替わったりすることあるやんか。みんなで、この仲良しのニコニコ写真もっていれば、何年たってもお互いずっと忘れないで、みんなずっとお友達でいられるよ」

・・・実は、おかんは、手術した最初の救急病院でも、大事な友達が1人出来てた。
隣のベッドのおばさん(学校の先生)で、おかんとそのおばさん、食事の時も、眠れない時よくベッドで同じテレビ見ながらカーテン越しに会話してた。2人とも『篤姫』を楽しみにしてた。
おかんが先に転院するとき、二人は名残り惜しく車いすで言葉を掛け合いながら、手を握って泣いていた。
なかなか手を放さなくて。看護婦さんが「みんな通れないから、もう手を放して・・・」ってやさしく注意したけど、2人は手を放さなくて、看護婦さんたちが部屋に入れなくてみんな困った顔して、諦めていたよ。
それに、おかんは、そのお友達と別れるのがさびしくて、家の住所を教えたがっていたけれど、記憶がないから住所も電話も教えるという行為がわからなかったようで。
バイバイする時、何度も「○○小学校の近くの○○中学校の通りの公園のちかくだから、いつでもきてね」って、泣いてた。
ぼくはその日、おかんの荷物整理してて、メモの切れ端みつけた。おともだちに、家の場所を説明しようと必死で書いた家の地図やけど、記憶が変やから、アバンギャルドで、地図かどうかさえ分からないようなものじゃった。
そんな、『必死につながっていたいお友達』だったんだなって、バイバイした時わかった。
けれど、おかんはそんな大事な友達の事、転院したらすぐ忘れてしまったんだよ!
…だって、数週間後、その友達と「別の病院」で再開出来ることになって。噂を聞きつけたぼくは車いすでおかんをお友達のフロアに連れて行ってあげた。
でもおかんは、友達だったこと忘れていて、すごく硬い表情なった。
お友達の会話や質問に、あいまいな相槌をうつおかん。
(自分には覚えがないのに、突然息子が「友達」という。何も会話ができない。自分の記憶もない。どういうことなのか)という不安な顔ていうか、叱られて逃げ出したいような硬い顔してた。
ぼくは、おかんが喜ぶと思っていたから、、、ショックじゃった。1分も話さないうちに、ぼくとおかんはトイレに移動して逃げた。
  
周りの家族は、患者同士が友達って覚えているけれど、、、、当人同士が覚えていないって、ぼくも、おかんも、つらいことじゃった。
お友達の存在は、楽しい日々の過去の記憶の共有とともにある幸せなんやね、たぶん。

じゃから、今後、おかんの写真だけでなく、おかんのおともだちの写真も、撮ることにしたん。
そして、おかんの友達にも、その写真をもっていてもらいます。
 
そんな経験があるのと、ぼくは大事なお友達を2人亡くした過去もあるので、ぼくは、おかんのお友達に真顔で言ったんだよ。
「なんねんたっても、この写真を見て思い出せば、ずっと、ずっと、ともだちなんだよ」て。
おばさんたちも、自分の記憶が若干頼りないことを一瞬思い出して、ハッとしました。
でも、みんなで安心して、みんなでうれしくて、みんなでいっぱい笑顔になりました。
ぼくはなんでか、、、このときばかりは、未来は明るいて、思えました。

★大人になった!と、ゆってやったよ o(・Ω・

外国におる、おねん赤ちゃん(もう3さいやから幼児やな)の写真。たまにメールで送られてくる。
写真は、セブンイレブンでプリントアウトして、おかんのベッドサイドに置く。
おかんは、その写真みるたび、「なきぼくのちっちゃいころにそっくり〜!」てホクホクにこにこする。
 
「なきぼくがちぃちゃいころなんて、○○通り(デパートのある繁華街)を連れて歩くと、何人ものひとに、あらかわいい〜〜〜って声かけられて大変だったのよ。それがいつの間にか・・・」て、ぼくの姿をジロってして…おかんは、笑っていて。
 
ぼくは、就職もしない悪い子やから、育て方間違えた子やから、そういうだめなキャラやから、
おかんは、そういう話になると、お約束で、ジロってにらむん。
  
ぼくは、「○たん(ちびっこの名前)も、似てるんなら、おっきくなったら、きっと、ぼくみたいにこんなんなってしまうんやぞ!!!」
て、びしい!と言ってやった。
でも…おかんは、笑っていて。
 
それでも、最近そういえば、ぼくは少し成長したんじゃった。
だから、おかんにこう言ったんだよ。
「おかんは、病気なって何もしてないように見えるけれと、ぼくはおかんが倒れてから、この1年で、ずいぶん大人になったんだよ。ハンコもたくさん押したし、近所や親戚とかも。難しい書類もしっかり手続きしてる」
そしたら、おかん、まぶしそうな顔して、「そーでしょー責任もって生活するって大変でしょー」て。
 
ぼくは、なんじゃかムカついて、、、おおきな声でゆうたった!
「だめな大人やったけど! こんな状態のおかんのせいで、いい大人になった!!ぶもー!!!」
そんで、ぼくは、くやしくなって牛のように突進して、おかんの腹筋にドカドカと、ぐうでパンチをしまくった。
…おかんは、笑ってた。