★おとんオバケと、おかんと、ぼく、畳の部屋に集合した時のこと。

死について、怖くて、書けなかった不思議な気持ちを書きます。

 
おかんは、福祉施設に住んでいます。
歩けるようになったけれど、しゃがむことが出来ないので、床から、自力で立てないからです。
 
たまにおかんを歯医者に連れてった帰りには、実家まで歩かせて、自宅を満喫させます。
 
そのとき、畳の部屋の、ホットカーペットにおかんをゴロンと座らせて転がします。
 
ぼくが、子どもの頃旅行から帰ると
「あーやっぱ、うちが一番!」といって、なきぼく一家は、その部屋でゴロンとしたし。
帰省するたび、畳の部屋でウトウトして、家の雰囲気を味わっていたからです。
 
今は、その部屋にゴロンすると、おとんのお仏壇があって、おとんの遺影がこっちを見渡して、家の様子をうかがっています。
 
 

そんな部屋で、おかんをしばらく休ませた後は、2人で立ちあがる練習です。

 
1月ごろは、立たせるコツもわからず、
おかんの手をひっぱっても、しゃがめないので、棒のようなおかんを、ずるずる引っ張りまわして、15分くらいかかって立たせました。
引っ張ってもずれないよう、おかんは、おとんの仏壇に足をつっぱって、ぼくが後ろから持ち上げたのでした。
おとんと、ぼくと、で、おかんを持ち上げたようなものです。
 
2月ごろは、YOUTUBEで、介護の「立たせ方」のコツをみて5分くらいで立たせられました。
 
3月ころは、YOUTUBEで、「半身まひでも立てる」的な動画を参考にして、ぼくが、指示しながら
おかんはほぼ、自力で床から、椅子におんぶするようにしてたちました。
 

家に帰るたび、おとんの遺影が見守る中、おかんの立ち上がり訓練をしました。

 
先月だったか、おかんがその部屋にいるとき、
ぼくも疲れたので、おかんと一緒にゴロンて転がって、おとんの写真をみあげました。
久しぶりに3人で話せる気分で嬉しかったです。
最近夢で見た『おとんオバケの言葉や近況』をおかんに伝えてあげました。
おかんは、おとんが夢に出てこないので、ぼくがいろいろ伝える係なのです。
  
「お仏壇に、死んだ人が立つときは、仏壇に背を向けて立つのが正式やてゆってた」とか
「おとんは、自分で自分にはオセンコあげないんやて、あげてもらう側なんやて」とか
「おとんは、テレビを移動したので、なんかちゃうってゆってる」とか
「家にだれもいないので、テレビばかり見ている。ここに座ってる。」て
 
・・・そんな話をしたら、おかんも、あの世のおとんが恋しくなったのか
写真をみあげたまま、おとんの話や死の話をします。
 

おかんは、たまにセンチメンタルになります。

もうこんな体では先が短いとか、ほんとうは死んでもいいのとかいいます。
 
その時も、
「お母さんも、あっち(お仏壇の中)に早く行こうかしら?」とか、
「・・・そしたら、なきぼくがかわいそうね。」とかいってきました。
そして、横にゴロンと寝てるぼくに、
「このまんま、一緒に、しんじゃおっか〜」て、、楽しそうにいったのです。
まるで
「今日のお昼は手抜きで『ぺヤング』でいっか〜!」 的に楽しそうにいいました。
 
ぼくは、いままでなら、そんなことゆうたらあかん!て叱って励まして、きましたが、
そのときは、おとんの写真と、横のおかんの笑顔みてて
つい冗談で
「べつに、いいよお〜」ていいました。
一瞬にうれしい感じもしました。
 

ぼくには、おかんのほかに守る家族もおらんし。

好きな仕事もしたり、つらいことも楽しいことも、
短いけれど、人よりたくさん経験したとおもっておるから
別に死んでもかまわんと思えたのです。
 
でも、おねんの家族や、ちびっこの事、いろんな人のことをかんがえたら、
ここで2人で死ぬわけにいきません。
 
ほか、いろいろ思い出して、おとんの写真を見たら
「ピッピと立て!」てゆってたので、
おかんに、そう言いました。
 
ぼくは、まだやりたいことがあるし、おかんもやるべきことがあるて、結論になりました。
 

でも、その時、一瞬でも、「いいよ〜」て思ったのは、とても危険やとおもいました。

きっと、心中とか、介護に関する自殺とか、殺人とか、こういう風景と
紙一重なんやとおもったからです。
 
いま、おかんとは、たまに会うだけやけど、
もしも、一緒にずーっと介護して生活して、いろんな感情に流されて
目の前の気持ちしか見えなくなったら、きっとぼくは
おかんと心中してしまうのではないか?と怖くなりました。
 

ぼくは、そういう事件は、辛くて起こるのかとおもっていました。

けれど、じつは、目の前のふとした、自分(たち)しか見えない
しあわせな気分がキッカケで起こる事もあるのもあるのかもしれないと思いました。
 
これは、意外だったので、ここに書いておきます。
今回はちいさな気持ちだったけれど、やがて、間違わないようにも、日記に書いておくことにしました。
以上です。
 
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