★とおい親戚の四十九日やった

 日曜は、親戚の四十九日+納骨やった。とおい親戚やけど、家はわりと近所やから。
おとんの時と、同じお寺、同じ霊園の所やった。

 おとんの時は、なんじゃか、ぼくもおかんも、必死で緊張してた。でも、親戚のじいちゃんとなると、ここまで四十九日も「ほんわか」していいものかと感じた。
おかんは、「多少遅刻しても大丈夫」とか。
坊さんがお経あげている最中もキョロキョロしとって、そんで、椅子席なんやけど「床暖房がぬるい」とか、こそこそ喋りだして。
おかん「つま先、冷たい」ってゆうから、ぼくはおかんのつま先を足で踏んで温めたよ。おかんの内緒話の声は大きいから、ぼくは「聞こえてしまうよ、聞こえるよ」て、何度も注意した。
ま、ええけど。

 うちのおとんの葬式も、遠い親戚の人は、こんな気の抜けたムードやったんかと思うのが嫌で、ぼくは、おかんに「きちんとして」欲しかったです。
ただ、おかんは、『去年5月から続いた、自分とこのいろんな法事』から、久しぶりに解放されて、ほっとして居たかったんかもしれないけれどな…。

 納骨のあと、イタリアンレストランで、みんなでお食事した。これまた、おとんの時は緊張して味もよく分からないでいたけれど、遠い親戚となると、ご馳走が美味しくてな。。。。フォアグラとワインとか出てきて。初めて『ワインが美味しい』って思ったくらいじゃった。
ぼくもおかんも、「もう無理」て思った大きな大きなデザート皿までキレイに平らにして、おなかパンパンにして帰ってきた。

そんな気の抜けたムードやったけれど、食事の後半、死んだ人の近所の弟分のような人(とおいおじさん)が、酔っ払って感激して、大声で話始めた。
「あんちゃん最高だった!ぬぎょーーーー」て、大の大人が、泣きだしたんだよ。そして、皆、嬉しそうにもらい泣きしたよ。
その人がいたから、なんじゃか、みんなで死んだ人を「熱く想う」事が出来てよかったよ。
そつなくおわるよか、熱い感情を出す人がおって、よかったよ。