★おとんと、さくらと、おかん。

しみじみした日記

そういえば今日おかんから電話きたとき、なにげに、おかんしょんぼりしてた。
さっき、「おやすみー」のメール来た。
「一緒にお花見したいなー 夢を見てねます」て書いてあった。  
 

たぶん、実家の横の公園の桜、さいたんやね。
 


おとん去年なくなる1ヶ月前、ご近所さんとお酒飲んでお花見したんやて。
そんで酔っ払って上機嫌で、電話してきたん。親戚や、ぼくに。
たしかに、やたらゴキゲンだったん。
満開の桜のことを誉めて、ごっつ気持ちよさそうじゃった。
 


おとんは、正月もゴキゲンやったな。
なんか、「自分がもう長くない。(1年か3年くらい)」って知ってたから、
ぼくが正月に実家にいるだけでゴキゲンやったな。
 


死んだのは、お花見の1ヶ月後くらいやったから、
葬式でも、「つい先日、電話きて、お花見したって お酒のんで本当に幸せそうだったよお」って、みんなゆってた。
 


おとんは、お酒は控えめにしていたから、近年なかなか機嫌良く
酔ってる姿みてなかったから、ほんまに、しぬ前に
ゴキゲンになれて、よかったねて、みんなお話してたよ。
 


おとんは、心のどこかで、コレが最後の桜かも知れないとか
コレが最後のお正月かもしれないとか、
コレが最後の高校野球かもしれないとか、
思っただろう。
 


おとんは、死ぬこと、怖くなることもあったかもしれん。
でも絶対弱音はかないから、怖い気持ち、どっかに固く押し込めていたんかな。
 


おかんは、今年もご近所さんから、お花見しようってさそわれたのかもしれない。
ぼくなら、おとんを思い出してつらいから、いけないだろうな。
おかんも、たぶん、いかなかったのかな、今度きいてみる。