★夏、浅き。

神宮の森の
コーヒーやさん
向の席の背もたれに
すずめの赤ちゃん
すずめのおかん
やってきた

赤ちゃん じゅ、じゅ、と
おかんをよぶ

おかんは 机のクロワッサンのくずを
くわえ あかちゃんの
口に埋める

かぜかふくと
森の木から
小さな花の粉が
降ってきます
ここもあっちも
雨のように
何時間も降ります

花の粉は
小さなガクで
ようくみると
星形でした

ぼくが本をよみおわるころ
アイスコーヒーの中に
星形が
15こしずんでいました

まだまだ星形は
降り続けます

木の
いのちの
中におるようじゃった

z z z ,,,