★戦う血

格闘技を観に連れて行かれた o(・Ω・*

体と体が、目の前で火花を散らしていた。
休みなく、隙もなく、ばんばん打ちあう。
ぼくは、息をとめて体に力が入ってしまった。
 
客席から、「やれ!やれ!やれ!」とか、
喧嘩をあおる野次や声援が。
 
そして、何かが飛んで、片方の選手がポロンと、消えた。
ほんまに、糸が切れたマリオネットのように、ポロンて。
あまりにも絶対的な一撃で。
 
これが…ノックアウトとゆうものじゃった。
 
天罰とか雷に打たれたように、人が沈んだんだよ。目の前で。

あまりの事で、会場が一瞬、、、無音の真空状態ぽくなったんだよ。
ドラマみたいに、音が消えたんだよ。

そんで、ぼくは、「ひょおおおおおおおんんんんんーーーーー!!!」て、へんな悲鳴でてもうた。
 
じゃけど、あまりにも絶対的な完璧なものをみたせいか
感動して、すこし涙目でてもうた。
人が倒れてるのに、感動するなんて。
 
きっと、痛くない、まっすぐな、いろいろな心を超越した、一瞬の攻撃が
あまりにも、人間離れした神業に見えたからじゃろか。
 
あんなに闘志に包まれた人間を、一瞬で切り捨ててしまうなんて。
神様ぽくみえた。
 
ぼくは、なんともいえない感動と恐怖で、涙が出るのをがまんして、また息をとめました。
 
最初は、こんな残酷で熱い空間、ぼくには無理ておもったけれど。
ノックアウトをみて、畏敬の念を持つことができるなんて、ぼくも自分の意識のどこかに、
残酷ばんざい!て思っている部分が残っているんだと思って、新発見じゃった。